CDのすみっこのモノクロの四角いロゴの正体

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あのモノクロの四角いロゴ。

HIPHOPを好んで聴く人なら絶対に見たことがあるはずだ。

なぜかクールでドープな感じがCDジャケットにマッチして気にならなかったって人もいるかもしれない。

このロゴは一体なんの意味があるのだろうか。

まずはロゴを見てみよう

直訳すると、

Parental Advisory”→[親への勧告]

Explicit Content”→[露骨な内容]

ヒップホップの楽曲には歌詞に犯罪、暴力、ドラッグ、性に対する過激な表現がたくさん含まれている。要するに「このCDは未成年にとって不適切で過激な表現が含まれているので、保護者は事前に指導する必要がありますよ」と注意を促しているのだ。

露骨な歌詞に目を光らせる制度

このロゴの正体。正式名称は、

PARENTAL ADVISORY[ペアレンタル・アドバイザリー]

未成年にふさわしくないと認定された楽曲に全米レコード協会[Recording Industry Association of America,RIAA]があのロゴを添付する制度。1985年、アメリカの市民団体ペアレンツ・ミュージック・リソース・センター[Parents Music Resource Center,PMRC]が全米レコード協会に圧力をかけてできた歌詞検閲制度。

1990年に現在のように、ロゴが貼られたり印刷されるかたちが標準化された。

なぜ、このような歌詞検閲制度ができたのか

1984年、当時アメリカの上院議員でのちのアメリカ副大統領になったアル・ゴアの夫人ティッパー・ゴアが11歳だった娘が聴いていたプリンスのアルバムに収録されていた「Darling Nikki」の歌詞に過激な性表現が含まれていることを問題視したのがきっかけで委員会を立ち上げ、ペアレンツ・ミュージック・リソース・センター(PMRC)は発足。

このように、子供たちを際どく露骨な歌詞の含まれる楽曲から遠ざける為につくられた制度というわけだ。

プリンスにとっては「同性愛でも異性愛でもいいし、自分のセクシュアリティーに正直であれ」というメッセージだったのだろう。だが、確かに子供にはちょっと、という歌詞である。

このようにアーティストの考えと団体の考えの相違から、たくさんの論議が繰り返された。

ちなみに当時、マドンナやシンディ・ローパーの楽曲も問題となった。ジャンルは問わないということだ。

このロゴが貼られたり、印刷されたCDはどうなるのか

世界最大のスーパーマケットチェーン「ウォルマート」をはじめとする特定の小売店にCDの販売を拒否される。

楽曲の販売を制限されるということである。

しかし、ペアレンタル・アドバイザリーのロゴが貼ってあったり、印刷されてるCDは世の中にいくらでも出回っている。

この制度の対象は子供たちということだが、本当に子供たちを露骨な内容の表現から守れているのだろうか。

アーティストたちも工夫

よくタイトルの後に「Radio Edit」や「Clean Version」と付いているの楽曲があるだろう。

あれはアーティスト自らがこの規制を免れる為に、規制対象の言葉を放送用に変えたりしたものだ。

もちろんアーティストにとっては本来の言葉とは違う。表現の自由を制限される為、アーティストからしても面白くはないだろう。

日本のCDでは見かけない

日本では映画などには「R15」や「R18」の年齢閲覧制限はあるが、楽曲に対する制限制度はないのだ。

ペアレンタル・アドバイザリーはアメリカの歌詞検閲制度なので、日本では関係ないのだ。

だが実際には、レコードレーベルや放送局が自主規制している。

露骨な言葉を歌詞カードに記載しなかったり、CD発売を中止したり、延期したりしている。

よくテレビでも過激な発言や言葉に効果音や黒塗りで隠した字幕を見ることがあるだろう。

今ではHIPHOPのアイコン的存在

ペアレンタル・アドバイザリーのロゴはHIPHOPのCDジャケットにはほぼ貼ってある。

このロゴがプリントされたTシャツやキャップもたくさん売っている。しかもなかなかおしゃれでかっこいい。今ではヒップホップのアイコン的な存在になってしまっている。

CDのすみっこのモノクロの四角いロゴの正体。

PARENTAL ADVISORY[ペアレンタル・アドバイザリー]

なかなか奥深い意味を持ったロゴだったのだ。